葦山公園
アップデート:2025/02/12
むかしむかし、このあたり一面には葦が生い茂り、風が吹けばざわざわと波のように揺れていたという。そんな往時の記憶を名前に宿したのが、この葦山公園である。
今や葦の海は姿を消し、代わりに広がるのは緑豊かな憩いの場。しかし、ここへ足を踏み入れる者は誰しも、そびえ立つ立派な階段を前にして思うのだ。「この階段を上がることが、葦山公園の秘密に触れるための儀式なのではないか」と。
勇気を出して一段、また一段と登る。すると視界がひらけ、そこには複合遊具が待ち構えている。遊びの城であり、かつての葦原に代わる新たな冒険の舞台。そして、その脇には砂場。子どもたちは己の王国を築き、過ぎ去った時代の面影を、指先の感触の中に感じることだろう。
こうして、葦が風にそよぐ代わりに、笑い声が空に舞う。葦山公園は、昔と今が交差する、不思議な時間の流れる場所なのである。
三井坂と平和坂の間の急坂に面した公園。二つの遊戯ゾーンと休憩ゾーンに分かれており、両ゾーンの間には高低差を生かした階段がある。(品川区HP)
葦山公園の由来
現在の戸越1・2丁目の一部と豊町1丁目は昭和初期頃まで「東耕地」という地名で畑の多いところでした。 なかでも、この付近は葦が自生していたことから、「葦山」と呼ばれていました。 これにちなみ「豊町一丁目児童遊園:を拡張して公園とするにあたり、「葦山公園」と名付けた。
(公園案内版)