愛宕第一公園
アップデート:2024/11/25
愛宕第一公園は、妙に控えめな存在感を放つ不思議な場所だ。その滑り台は、滑り台というよりは、砂場への突入用装置とでも呼ぶべき微妙なフォルムで、砂場に飛び込む感覚を楽しめる設計となっている。いや、待て。これを楽しめると考えるのは、むしろ砂粒の立場なのかもしれない。
遊具エリアとグラウンドの狭間には、背中合わせのベンチがぽつんと佇む。このベンチがまた独特で、どちらを向いても中途半端な方向感覚を味わわせてくれる。ここに座ると、休むべきか遊ぶべきか、妙に哲学的な気分にさせられるのだ。
愛宕第一公園は、目立つことを意図的に避けつつも、訪れる人の記憶にしっかりと刻み込む。微妙さが生むこの味わい深さを、ぜひその目と体で確かめてみてほしい。