新広尾公園
都会の喧騒と孤独が交差するこの地に、一筋の細長い世界が存在する。それが新広尾公園だ。
公園の上空は首都高が堂々と横切り、日差しを奪う代わりに独特の陰影を生み出している。日常に見慣れた複合遊具とブランコも、この独特の光と影の中ではどこか神秘的で、忘れられた街の遺構のように感じられる。
散歩する人々、遊ぶ子供たち、そして上を走り抜ける車たち。どれも一瞬のシーンを生み出す小さな登場人物だ。しかしこの狭い空間に、人生の喜びや憂いがギュッと凝縮されているような不思議な感覚がある。
細長くても、その先には何か新しいものが待っている――新広尾公園は、そんな期待を抱かせる不思議な場所である。