栗六公園
アップデート:2024/11/30
二層の舞台を持つこの場所は、小さな世界をぎゅっと詰め込んだ不思議な公園だ。
まず目に飛び込むのは幅広の人研ぎ滑り台。何度も磨かれたその表面は、訪れる人々の笑い声を反射し、穏やかな午後に光を散らす。滑り台の頂上には上のフロアが広がり、ここは静かな時間が流れる場所。パーゴラの下で休む人々の姿が、まるで物語の一幕を切り取ったように映える。
下のフロアに降りれば、一転して遊具が主役だ。ブランコや鉄棒に混じり、砂場では小さな動物たちが遊び相手になっている。動物の視線を感じながら砂の城を築くのも、この公園ならではの体験だろう。
パーゴラがそれぞれのフロアを見守るように配置されているのも、この公園の不思議な優しさだ。何層にも分かれた空間の中、時間が緩やかにほどけていくのを感じられる、そんな場所である。