ときの広場公園
アップデート:2025/04/07

ときの広場公園という名は、もはや看板ではなく詩であり、呪文であり、時空のねじれ口である。
訪れた者はまず、無言の時計台と向き合うことになる。針は動いているようで止まっており、止まっているようで確かに何かを刻んでいる。パーゴラの蔓は風を孕み、かすかな記憶のように揺れている。
そこから先は、どこまでも広がる芝生の海。複合遊具や滑り台が浮島のように点在し、子どもたちは知らぬ間に時間の狭間に遊び込んでいる。大人たちは、ベンチに腰かけるや否や、自分が今朝どこから来てどこへ帰るのかを忘れてしまう。
そして誰もが思う。ここにあるのは「公園」ではなく、「とある時間」なのだと。






