(仮称)鉄道敷地公園
アップデート:2025/03/29
鉄道敷地公園ことタコ公園は、かつての調布駅前の象徴がそっくりそのまま移植された、時空の継ぎ目のような場所である。往年の駅前に鎮座し、幾多の子どもたちを歓喜と混乱の渦に巻き込んできた巨大なタコの遊具は、再開発の波に乗せられ、するすると移動し、今や調布市役所の前に静かに落ち着いている。かつては多くの者がその足を登り、頭頂から滑り落ち、時には迷い込み、時には敗北して立ち尽くしたという伝説の遊具である。
そして新天地では、新たな住人としてガメラが姿を現した。「映画の街・調布」の名にふさわしく、その大きな甲羅は堂々とそこにあり、過去と現在を繋ぐ者として見守っている。駅が地下へと沈み、風景が変わっても、この地に残るものはあるのだ。タコとガメラは、かつての喧騒を懐かしみながら密かに語り合っているのかもしれない。立ち尽くす者は、ふと聞こえるはずである。遠い昔、駅前を駆け抜けた子どもたちの笑い声と、未来へと繋がる列車の音が。